HOME > 前川日記 > 前川日記2017.1.16.~31.関東平野の風景を眺めていたら「民をもって貴しとなす。社稷これに次、君をもっとも軽しとす。一夫の紂を誅するもまた義なり」というフレーズが浮かんできた。

前川日記

1/16(月)

暮れに妻が家の前で転倒して以来、外出時にできるだけ同行することにしている。
今朝は、近所のパン屋さん。
娘たちが送ってくれたカートとステッキをその時々で使っている。この地域は多摩丘陵を造成したので坂道が多い。下り坂に注意。
午後、事務局立ち寄り。
夕方、TBSメディア総研で永井氏と合流。メディア総研時代の秘書関根さんと一緒に少し遅い新年会。永井氏は松下電器、現パナソニックでテレビ受信機の開発製造に長く携わり、その後BS業務でTBSと連携したのをきっかけに、TBSと松下などが共同出資したトマデジで仕事をした。その際、TBSメディア総研に籍を置く形を取ったので縁が深まったのだった。そのうえ、僕が懇意にしていた信越放送(SBS)の知人と高校の同級生だったことが判明、加えて別の同級生が僕の大学時代のサークルのメンバーだったという奇縁。
永井氏は夫人を医療過誤で亡くされて長く裁判にも関わっていた。最終的に勝訴したことがメディアでも報じられた。そういうこともあって、こうした問題にも色々と関わっている。
色々話をしているうち、関根さんのご両親の介護の話題もあり、彼女も色々大変。めげずに頑張っているのに感心。

1/17(火)

赤坂でマッサージ。
ランチは、グラナータ。

「読んじゃいなよ-明治学院大学国際部高橋源一郎ゼミで岩波新書を読む」を読む。
学生たちからゲンちゃん都呼ばれる高橋源一郎氏のゼミは、いろんな分野で岩波新書に書いている人たちをゲストスピーカーとして呼び、議論するというなかなか面白い試みを継続しているが、そこに呼ばれた鷲田清一、長谷部恭男、伊藤比呂美の三氏のケースの記録。高橋源一郎という人は、なかなかのすぐれ者と思っていたが確かに。学生たちが屈託なく発言しているのもとても良い。このゼミに参加したくなった。

1/18(水)

午後、事務局。
暮れに、秋田在住の会員から銘酒を頂いたので、内々の新年会。松尾羊一さん、鈴木典之さん、伊藤雅弘さんなど、ベテラン会員が足を運んでくれた。
こういう懇親が放送人の会の良いところだろう。

1/19(木)

朝、メディカルクリニック悠々、定期検診。
神経痛らしい痛みの話をしたら、ビタミンEの薬を処方してくれた。また一つ薬が増えてしまった。
昼、近所の整骨院。良くなりそうでなかなかならない。

午後、TBSメディア総研立ち寄り。
夕方、学士会館で高校時代の集まりの打合わせ。次回は、日本鋼管(NKK)で素材(鉄鋼)のトラフィックや生産ラインのシステム構築のためにコンピューターを自前で開発製作することになり、その後コンピューターと格闘した50年という話。予告ではAIの話をするというので楽しみだったのだが、その部分が資料にないので、何とかAIに話をつなげてほしいと要望。世話役の庄司氏(東大名誉教授・社会学)と三人で2時間ほど。
庄司氏が新著書を刊行。夏頃にその話題で企画を想定。

1/20(金)

終日在宅。
寒い、冷えている。

1/21(土)

洗濯、掃除、アイロンなど。


米大統領就任式のニュースが繰り返されている。
自国第一主義、保護主義、既成政治批判、大衆への迎合、排外扇動、差別、これはファシズム登場の定番だ。今、政治形態は独裁ではないとはいえ、それは<大衆>に媚びることによる、あるいは<大衆>を利用した排他性の担保である。

1/22(日)

憮然として一日が過ぎる。

1/23(月)

事務局。
「日韓中」のチーフ、渡辺氏が何度目かの入院。
胆管結石の手術が色々な事情で上手くいかないとのこと。心配。

1/24(火)

明日からの戸隠行き、準備。
TBSメディア総研の「あやとりブログ」のライターの数人、河尻亨一氏(キュレーター・元広告批評編集長)、志村一隆氏(WOWOW一期生、情報通信総合研究所、ヤフー、など)、須田和博氏(博報堂CMクリエイター)、がどういういきさつだったか正確には覚えていないが、
3年位前に、時々本の批評をしながら酒でも飲もうという集まりが始まって、そこに出版社で仕事をしている山田智子さんが参加。3世代ほど離れた個性豊かなメンバーと会話をすることになった。これも何故だか忘れたが、テーマになる本は何となく僕が選ぶことになっていた。題して「貸本文化会」。この名前は、貸本のことが話題になった時に「あやとりブログ」メンバーの貸本分科会という意味合があったのだが、分科会より文化会の方が良いだろうということで、そうなった。この1年ほど間が空いてしまって、無理をする程の事ではないと思っていたら、彼らの一人から「そろそろやりましょうよ」と声がかかった。なんだか嬉しい。その日程調整で急にバタバタしてした一日。

1/25(水)

戸隠行き。
移動の合間に「貸本文化会」の日程調整と最近読んだ本の数冊を情報提供。

<ご興味のある方は「反知性主義-アメリカの生んだ『熱病』の正体」(森本アンリ・新潮選書)、「読んじゃてなよ!-明治学院大学高橋源一郎ゼミで岩波新書を読む」(高橋源一郎編 岩波新書)、「帝都東京で中国革命を歩く」(譚瑠美・白水社)、「フジフィルム・フォトコレクション展 日本の写真史を飾った写真家の『私の一枚』」(FUJIFILM)、「驚くべき日本美術」(山下裕二・橋本麻里 集英社インターナショナル<知のトレッキング叢書>)、などなど、ご参考。いま、「北一輝論」(松本健一・講談社学術文庫)、「明治の表象空間」(松浦寿輝・新潮社)、読書中。後者は700ページの大著だけどドキドキしながら読んでます。>

<追加:「芸能人の帽子 アナログテレビ時代のタレントと芸能記事」(中山千夏 講談社)。これはメディアに感心興味のある人は必読もの。圧倒的に面白い。千夏さんの才覚に感心しつつ同時代史として貴重!>
<追加の追加 「日本の反知性主義」(内田樹編 晶文社)。>
<自分で書いたものを一つ。
[自分で自分が生きる時代は選べないが、自分が時代とどうかかわるかは選択できるではないか]-メディア状況の中の「放送人の会」- 前川ノート>
・・・あとは、「放送人ブログ・前川日記」(つまり、この日記)をご参照ください、ということにした。
店は前回と同じ、須田氏紹介の「上海小吃」。新宿の中華だが、そこだけ上海の下町がもぐりこんだみたいな・・・。みんなが気に入った店。

夕方、樅ノ木山荘着。
客は僕一人。

1/26(木)

早朝、部屋の凍てついた窓から朝焼けの戸隠が見える。

快晴無風新雪。
今日滑らなくてどうするの!というコンディション。
快調に20本以上滑る。滑り過ぎ。坐骨神経痛は、時々違和感が出るが、滑りに影響するほどではない。長野市の小学校の体育の授業、スキー教室があちこち十以上のグループ。
そこに突っ込まないよう注意!


午後休憩という、何時もあまりやらないことまでしてしまった。
16時過ぎに戻る。
親子連れが一組。夫婦は明日からの技術選の大会に出るという。2歳の子供は、ゲレンデにある託児所で遊ぶのだそうだ。

1/27(金)

暖気が入ってきて荒れそうな予報だったが、晴れ間が出て悪くない。
瑪瑙山頂のロングコースを数本滑って、ゲレンデ内レストラン「やなぎらん」で休憩。昨日の休憩や昼食もここだった。シェフやマネージャーが代わって、メニューもリニュウアル。なかなか良くなった。ビーフシチュー、フランスパンのサンドウィッチ、など。
店のFBに投稿しているうちに、顔を合わせた会話になり、2月の予約までしてしまった。
昼は、「シャルマン戸隠」という大食堂。ここの手打ちそばは悪くない。
午後、風が強くなる。前線の通過だろう。雪が降り出してガスも出る。バーンも荒れてきた。悪コンディションになったので、山頂から慎重にノンストップて1本滑って終了。
宿に戻ると、明日からの小学生の大会に参加する小谷(オダリ)村の子たちコーチ、保護者達が団体で投宿。たまには賑やかの方が良い。スキー置き場や乾燥室でワックスなど明日の準備をしていた。


1/28(土)

朝早く、ことも達や親子組が大会に行ってしまったあと、バスの時間まで一人でぼんやり。
宿を切り盛りしている二代目女将と雑談など。
10時のバス。バスと新幹線の接続が上手くなくて、長野駅で小一時間空いてしまう。昼食と買い物。


新幹線が碓氷峠を越えて関東平野にでると景色が一変する。
北関東の風景を眺めていると、「民をもって貴しとなす。社稷これに次、君をもっとも軽しとす。一夫の紂を誅するもまた義なり」という言葉が、ふと思い浮ぶ。「孟子」の一節。足尾鉱毒事件の田中正造を描いた宮本研の戯曲「明治の棺」の一場面、田中正造と幸徳秋水(夫々をモデルにした人物)が交わす会話に出てくる。渡良瀬川流域(もっと東寄りだけど)の茫々とした景色は関東平野の原風景であり、日本近代思想の屈折点でもある・・・と思う。
16時帰宅。

1/29(日)

昨日の孟子のフレーズが気になって、野口武彦「王道と革命の間―日本思想と孟子問題―」(筑摩書房1986)のページをパラパラと繰ってみる。野口武彦は60安保闘争の式は、早稲田の全学連反主流派のリーダーだった。文学から歴史を観るというスタンスで近世近代を研究。幕末シリーズのエッセイはなかなか面白い。「王道と革命の間」は、本格的な彼のデビュー作といって良いと思う。


1/30(月)

整骨院治療、
事務局。
明日の「日韓中」関係会議準備。

1/31(火)

昼、赤坂整体院。
横山女史とランチ。
10年位前に何度か使った中華の店が、リニューアルしたらしい。飛び込みで入ったが、まあまあ。圧倒的に女性客が多い。
その後 三井住友銀行で担当者と若干の相談事。

終わって、テレビマンユニオン。
青山通りに冬の午後の陽が当たっている。ちょっと幻想的。
会議は、「日韓中」の今年の運営と今後の方向付。2回目の議論だったけど、なかなか良いブレストだった。
歴史認識に向き合って腰を据えた議論をするかどうか…中国はどうする・・・など。

終わって、寅福。10時解散。
家に帰って一息ついたら12時半になってしまった。


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