HOME > 前川日記 > 前川日記 2017.11.11.~20.「日航123便 墜落の新事実」(青山透子 河出書房新社)。この本の、つまりこの著者の優れているのは、起こったこと、そしてそれについて伝えられたことを、その根本から問い直そうとしていることだ。

前川日記

11/11(土)

TBS「報道特集」で、中国のキャッシュレス社会の急成長を取り上げていた。木曜日に会った王氏もスマホ一つで外出するという。財布は家においてあるそうだ。
これって、人間の距離の密度に関係するのではないだろうか。日本社会は人と人との距離が近い、密度が濃いのだ。信用の質の相違につながるように思う。

11/12(日)

何をしたのだろう…。

11/13(月)

午後、事務局。
途中本屋立ち寄り。
知人に薦められた「日航123便 墜落の新事実」購入。一緒に、カズオ イシグロと柳美里の本。こういう買い物は楽しい。手に取って本と会話している気分。書店の良いところだ。
夕方、前調査情報編集長市川君とアレコレ。「砂場」。

11/14(火)

歩く。多摩地区は丘陵地帯を造成したので、坂と階段が多い。
階段は避けられても、坂道はそうはいかない。

午後、民放研。面白かった。
テレビの公共性は、生活空間=緊急災害情報とメディア空間=ジャーナリズムの複層から成立している、など。
帰路、雨。

11/15(水)

午後、事務局。

1/16(木)

朝、アキ設計池上女史にTEL。
村上家のリフォーム以後、村上ホープさん宅のことをいろいろフォローしている。
最近の様子など聞いてみる。というのも、今日の和泉家訪問の時に皆さんへの報告案件。
というわけで、スキー仲間だった和泉さん宅訪問。
ご夫婦で三鷹の老人ホームにお住まい。当時の仲間女性三人と私で一年ぶりに訪ねた。
穏やかな生活環境の中で、静かに過ごされている。
和泉さんは劇団「ぶどうの会」などで演出助手、俳優。若手の俳優たちと劇団を立ち上げたこともある。
ラジオ、テレビの構成作家。ワイドショーや<ニュース23>など。世の中に起こっていることの意味を読み解き番組に仕立てるということにおいて、極めて優れていた。テレビの何たるかを見抜いていたと思う。スタッフからは「和泉先生」と呼ばれていて、社員ではないのに専用デスクを持っていたという異例の存在だった。ホープさんについて報告など、アレコレ。このスキーグループはホープさんがリーダーだったけど、和泉さんが色々プランニングをしていたので、<和泉旅行社村上社中>と自称していた。
帰りに、成城学園前で掛川さんと一献。
東京は、東西の移動は楽だが、南北の交通が不便。

11/17(金)

新宿でRと会う。
ブレイクなしの会話は少し疲れた・・・が、良い一日だった。

11/18(土)

曇天。冬空。
書棚整理のため、「ガロ」+赤瀬川源平作品、シリーズ現代漫画(全)、白土三平作品集、などを<貸本文化会>メンバーに進呈することにする。みんな喜んで受け取ってくれるという。

11/19(日)

寒い。
高齢者向け住宅(老人ホーム)資料来る。
和泉家訪問の後、同一経営で小田急沿線にある施設の情報。悪くないけど、経費の問題とタイミングがチョット考えどころ。

11/20(月)

父の命日が近いので兄と墓参。護国寺。
墓地の楓が育って枝が張り過ぎていた。思い切って枝を落とす。
終わって、恒例の昼食。
来年、兄は80、自分は77、何処かちょっと出かけてみようかという話になる。ま、悪くないか。


「日航123便 墜落の新事実」(青山透子 河出書房新社)読み終える。この本なかなか凄い。感心した。著者は元日航客室乗務員。あの便に乗っていたのは彼女の先輩、同僚たちだった。
この本の、つまりこの著者の優れているのは、起こったこと、そしてそれについて伝えられたことを、その根本から問い直そうとしていることだ。「ラディカルということは、物事をその根本から捉えるということである」とは、「ヘーゲル法哲学批判・序説」でマルクスが語った言葉だが、その意味でこの本はまことにラディカルなのである。彼女の職業に対する真摯さがそうさせたのだと思う。彼女は日本航空という会社によって客室乗務員として採用された(選ばれた)のだが、この本を書くことで彼女はその職業を<選び返した>のだと思う。それは、既に退職したかどうかではなく、仕事と生き方と交点とは何かを考え続けたということなのであろう。

問題は、根本からの捉え返しというリスクをどう考えるかだ。根本からの捉え返しによる<不都合な真実>を拒否したい人々がいるのは、読めばわかる。情報公開を拒むのは、その故であろう。そこから、著者への圧力、警告があるであろうことは間違いなかろう。個人の対応を超えるであろうこともありうる。さて、どうする。この本を読んで<評価>した人たちは、そこを考えざるを得ない。もちろん、私も。それは、同時に出版社の社会的行為でもあろう。そのためにも、メディアによる調査報道が不可欠だ。


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