HOME > 前川日記 > 前川日記 2018.4.2.~15.「春三月縊り残され花に舞う」大杉栄 「行く春を若葉の底に生きのこる」堺利彦 花は散り、人は逝き、そして思い出が残る。

前川日記

4/2(月)

「春三月縊り残され花に舞う」
桜を見ればこの句を思う。
大逆事件で幸徳秋水の刑死を知った大杉栄の句だ。凄惨な美の極み。
その大杉は関東大震災の時に伊藤野枝とともに虐殺される。
大逆事件では、大杉とともに収監されていて難を逃れた堺利彦は、
「行く春を若葉の底に生きのこる」
と詠んだ。冬の時代だった。


日本の民主主義は、命を懸けて勝ち取ったものではないから根が浅い、と言われる。確かにそうだろうと思わないではない。しかし、命がけの民主主義があるとすれば、それは欧米諸国、それも限定されたいくつかの国なのであって、そこには西欧モデル=理想型というパターンかがありはしないか。
それとは違う歴史の中でも、命がけの思想というのはあったのだ。私たちは、この国の歴史と地理の中から何を継承するべきなのだろう。


もう一つ俳句のこと。
金子兜太の最後の句。今朝の朝日新聞。
雪晴れに一切が沈黙す
友窓口にあり春の女性の友ありき など。

4/3(火)

明後日の片岡藍子さん葬儀の準備。
平服ではあるがスーツのチェック。どれもウェストがきちきち。
何とか着られるがこれ以上になると直しに出さなければならない。そんなに太ったわけではないけど、その1センチの差が大変だ。
池ノ上さんを通して村上氏は葬儀に参列できないとの連絡。やっぱり無理か…。和泉さんも残念がるだろうな…。

4/4(水)

赤坂SMBC立寄り。生前贈与の件。保険方式が良いといわれたけど、いろいろ話しているうちに結局そうしないことにした。
午後、事務局。
夜、「貸本文化会」。渋谷。
相変わらずこの会は屈託がなくていい。

4/5(木)

藍子さん葬儀。吉祥寺。
慎ましやかな集まりだった。夫君の和泉さんが落ち着いていてほっとした。・・・が、これから独りになった時、大丈夫だろうか。
寒かった。


4/6(金)

赤坂でマッサージ。昼、つつ井。
午後、事務局。
総会準備など。

4/7(土)

スキー疲れか。
ボーっとして過ごす。
先月末か今月に入ってからかは記憶が定かでないが、なんかの番組で「こういう生き方(芸能の世界)の私たちは、人の<目>にさらされながら居るのよね」と樹木希林が言っていた。芸能界の人々がみんなそう思っているかどうかは知らないが、この人はそういうところは凄いね、と思う。
あっ、思い出した。小泉今日子が師と思う久世光彦についての番組でNHKだった。この番組で、久世がTBSの演出家だと一度も語られなかったのは不思議だ。映像提供TBSと表示されているのにね。

4/8(日)

朝、次女から夫の母の訃報。
認知症が進んでいたと聞いていたが、早かったなぁ・・・・。
兵庫県の山間地の実家で葬儀。弔電。

4/9(月)

書評依頼のあった本ようやく開く。受け取ってから一月も経ってしまった。
いろんな雑事雑件で面倒な気分。

4/10(火)

午前中所用で町田まで。
昼まで少し時間が空いたので小田急デパートをブラブラしていたら、なんとなく予感がしていた通り衝動買い。カジュアルシューズ。
ランチはデパート内アスター。
早く帰宅して何事もなく過ごす。
次女たちは今晩帰るという。葬儀告別式で疲れたろう。

4/11(水)

東急本店 白洋舎。
冬物のちょっと丁寧に扱ってもらいたいものは毎年ここに出す。
事務局立寄り。総会関係作業確認。
夜、今野、河野両氏と懇談。会の体制、今後のこと、など。

4/12(木)

町田市民病院。
脳のMRI定期検査。
発症して7年だ。後遺症がなくて本当に運が良かった。

4/13(金)

明日から大阪。
故林敏彦氏を偲ぶ会。林さんとの出会い、「高度情報化社会の未来学」のことなど、手元にある資料で確認。地上デジタル放送懇談会、OSIPP(大阪大学大学院国際公共政策研究科)、共同研究「高度情報化社会の未来学」、スタンフォード日本センター・・・。

4/14(土)

大阪。
駅直結のホテルグランビア大阪。早く着いたので駅周辺を歩いてみたが、雨が降り出してすぐに戻る。
夜は、ホテルに隣接する大丸のレストラン街で天麩羅。

4/15(日)

ホテルの宴会場で「偲ぶ会」。
とても良い会だった。幹事役の和住さんお疲れさま。

この時計をして出席。
<高度情報化社会の未来学>で、林氏が経済のフィクション性と信用について話をしたときに、「アメリカの貨幣にはIN GOD WE TRUSTと刻印されている」という例を挙げた。


この時計はアメリカのメディア状況調査団に参加した時、ニューョーク近郊のテレビ局で記念品として贈られたもの。1/2ドル硬貨をスライスしてメカをはめたものだが、確かにIN GOD WE TRUSTと刻印されている。この話から発想したことについて、<高度情報化社会の未来学>の記録「高度情報化社会のガバナンス」で触れた。
今日はやっぱりこの時計だった。
・・・花は散り、人は逝き、そして思い出が残る。

帰りの新幹線は混雑。
隣はイタリア人の旅行者の女性。気の良いグループのようだった。


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