HOME > 前川日記 > 前川日記 2018.8.1~15.昭和十八年の或る日、東大法文教室の一つで鳴り響いたベートーヴェン・第九交響曲は学徒出陣の壮行を祝うためと掲示されてあった。日響の演奏、尾高尚忠の指揮。……もはや『ベートーヴェンか死か』ではなくなっていた。前方には死と壊滅しかなかった。だからこそそれは栗鼡のような瞳をした若人をよろこばせた。だからこそ日本人流のドイツ語で歌われるベートーヴェンは美しかった。激しかった。そして学生たちの死は空しかった。(「昭和18年秋の音楽」谷川雁)

前川日記

8/1(水)

事務局。
帰宅途中に市の「地籍調査説明会」立寄り。19時半からの説明会ってどうなの?と思いつつ参加。高齢者が多いので、昼間の厚さを避けたのだろうか。
Q&Aで、かなりディテールに拘った質問者がいる。正論には違いない。担当者も疲れるだろうか。
終了した後、別途に地籍調査で現状変更が出た場合、登記簿謄本や権利書との関係はどうなるか聞いてみた。登記簿関係は新たに投棄が行われるので必要に応じて取り直す、権利書は書き換えるものではないので新たに投棄された内容に応じて読み替えることになるという。なるほどね、読み替えか。行政は制度に厳格に処理する場合と、解釈運用とを組み合わせるのだとなんとなく納得。現場担当者にブレがないのは、まァいいことか。

8/2(木)

知人に宅急便。

8/3(金)

歌舞伎町で映画「万引き家族」。久しぶりの映画だ。
渋谷で高橋君と懇談。駒形どぜう渋谷店。

8/4(土)

「万引き家族」にコメント。
「これは結構過酷な映画である」(以下、放送人ブログSpecial)

是枝監督の「映画を撮りながら考えたこと」の取材・構成者のライター堀さんからメッセージ。
<さすがの批評です! 一回見ただけで本質を言い当てて、すごいなあ…。>
こういうリアクションは嬉しい。

8/5(日)

キッチンのガス台、流し、洗面台、風呂場の排水口、掃除。綺麗になると嬉しい。

午後、TBSの特番『終戦スペシャル「学徒出陣~大学生はなぜ死んだ?」あの戦争を忘れない…』を観る。関口氏と学生たちの会話。加藤陽子氏がコメント。穏やか過ぎて些か物足りない。
谷川雁の「昭和18年秋の音楽」を読み返す。
「昭和十八年の或る日、東大法文教室の一つで鳴り響いたベートーヴェン・第九交響曲は学徒出陣の壮行を祝うためと掲示されてあった。日響の演奏、尾高尚忠の指揮。……もはや『ベートーヴェンか死か』ではなくなっていた。前方には死と壊滅しかなかった。だからこそそれは栗鼡のような瞳をした若人をよろこばせた。だからこそ日本人流のドイツ語で歌われるベートーヴェンは美しかった。激しかった。そして学生たちの死は空しかった。(略)―――そのときはもう遅かった。死か奴隷かと賭けさえすることはできなかった。前途はただ一色の死であった。」(「原点が存在する」現代思潮社所収) 

8/6(月)

事務局。

8/7(火)

急に涼しくなった。台風の影響か。
「映画を撮りながら考えたこと」を読みながら考えたことのメモがどんどん増えていく。いろんな思いが錯綜し、いろんなことが思い出される。読むものの中に乱反射が怒る、だからいい本だ。

民放連研究所からメール。
中堅・若手の学者研究者で構成されている「客員研究会」オブザーバーが終了。今期の研究会の初めの会合で挨拶を、という。この研究会には7年関わった。その前に自分が委員長だった研究会が約4年、民放連との関係が始まったのは1984年からだから35年になる。思えば長い関係だ。これで一区切りだ。

8/8(水)

台風接近中。
明日からのゴルフどうなる、と思いつつ打ちっ放しに。

沖縄県知事翁長氏逝去。
政治家の死に深く思うのはいつ以来か…。
NHKニュースは、気象情報に馬関を割いた後の扱いで、その後のボクシング協会会長のスキャンダルほぼ同じ扱い。意図を感じる。ひどい。

8/9(木)

雨交じりの朝だが、御殿場へ。長女、次女の夫たちと恒例。
御殿場は晴れ。暑かったが7月の時ほどではない。
ペットボトルのスポーツドリンク3本。終わってTBS箱根クラブ。
運営システムが変わって民間委託。
基本的には従来通り居心地は悪くないが、食事が懐石コースというのが、ちょっと似合わない。一品を丁寧に、というほうが馴染む。

8/10(金)

ゴルフ2日目。
風があって凌ぎやすい。
目には見えねど秋が、風の向こうにいるのかな。

8/11(土)

休養。
「映画を撮りながら考えたこと」へのコメント考える。

8/12(日)

今日も、メモを組み立て。
書評というものとは違う。なんだろう、これは。

8/13(月)

TBS立寄り。
情報システム局。メールシステム変更に伴うアレコレ。I-Padのメール対応がうまくいかない。グーグルクロームがインストール出来ない。
15時 神田 永和事務所。放送人の会の法務会計関係の業務委嘱。
深尾氏、千葉氏、同行。
着いた途端に激しい雷雨。TBSを出るときは地下鉄でと思ったのだが、玄関で空を見てタクシーにしてよかった。打合せが終わるころ雨あがる。
神田駅前でビールでも、とうろうろ。神田駅界隈は、今風に言えば昭和っぽい。が、新橋とはまた違う。新橋より人が若いらしい。



8/14(火)

iPadにグーグルクロームを入れられるか、電話サポートに追われる。
結局、手持ちのものは初期の仕様のため無理だということ。
疲れたな。

8/15(水)

FBに毎年この日にアップする「嘗て東方に国ありき」 8月15日はどう記録されたのか」を今年もアップ。
また8月15日が来た。
これからも何度でも来る。
数年前から、8月15日には以下のノートをアップすることにしている。毎年それなりの思いを書くことも出来ないこともなかろうが、同じ記録を繰り返すこともそれ相応の意味があるだろう。何人かの作家たちあるいはそうでない人たちの、その日のそしてその日を巡る日記などである。


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