HOME > 前川日記 > 前川日記 2018.12.1.~20.「富は獲得するものであると同時に、何らかを失うものであるのかもしれない。人はあれもこれもすべて所有することはできないのである。スペインは新大陸から莫大な富を獲得した。そのかわりにスペインは宗教的情熱に燃えた強靭な騎士層や、ようやくにして発展せんとしていた中産階級的ブルジョアジー、そういったスペインの真の富を失ったのであった。帝国の外延が拡大すればするほど、帝国の内部の弱体化が進行する。この歴史のアイロニーからスペインもまた免かれることは出来なかったのである。」

前川日記

12/1.(土)

師走である。
暖かい。

12/2(日)

「放送人の世界 右田千代~人と作品~」(放送人の会/上智大学メディアジャーナリズム研究所)。
現役の制作者を招いたのは初めて。作品も作品に向き合う制作者の姿勢も素晴らしい。
コソボ紛争が残したものは何かを問う「隣人たちの戦争」、原発事故を見据えた「被曝治療83日間の記録~東海村臨界事故」、軍の思想と責任に向き合った「日本海軍400時間の証言」、原爆投下直後の爆心地の写真を徹底分析した「きのこ雲の下で何が起きていたのか」。
企画「放送人の証言」の新しい方法が見えた。
NHKニュース報道についての批判には厳しいものがあるが、私もその点は同感だが、ドキュメンタリー分野の制作努力は敬服する。まるで贖罪であるかのように。
彼女の制作の根本には、以下のよう精神があるように思われる。

敵を恐れることはない。せいぜいきみを殺すだけだ。
友を恐れることはない。せいぜいきみを裏切るだけだ。
無関心な人々を恐れよ。殺しもしないし、裏切りもしない。
だが、この人たちの無言の同意があればこそ、地上から裏切りと殺戮が、あとを絶たないのだ。
(ブルーノ・ヤセンスキー スターリンの粛清により獄死)
この言葉を教えてくれたのは、TBSの先輩北村美憲さんだった。

12/3(月)

休養。

12/4(火)

ヨガ。
若い時に簡単に出来たことが出来なくなっている。
悔しいなぁ…と思う。

12/5(水)

事務局
財務関係定例打合せ。
終わって「証言」出版関係作業洗い出し。
総務関係メンバーで、蕎麦「小石川」で寛ぐ。


「イカロスの墜落のある風景」のことを思う。
前回の日記に書いたように、これがプリューゲルが描いた画ではないとして、しかしこの絵をモチーフにした「イカロスの墜落のある風景・欧州経済史紀行」という優れたエセーがある。著者の舩橋晴雄氏は、大蔵省の役人だった。その一節を、しばしば引用したことがある。インターネットとデジタルの時代を前にしたテレビジョンのことについていた時だ。
「富は獲得するものであると同時に、何らかを失うものであるのかもしれない。人はあれもこれもすべて所有することはできないのである。スペインは新大陸から莫大な富を獲得した。そのかわりにスペインは宗教的情熱に燃えた強靭な騎士層や、ようやくにして発展せんとしていた中産階級的ブルジョアジー、そういったスペインの真の富を失ったのであった。帝国の外延が拡大すればするほど、帝国の内部の弱体化が進行する。この歴史のアイロニーからスペインもまた免かれることは出来なかったのである。」
スペインをテレビと読みかえてみたら、時代はどう見えるか、ということを言いたかった。

12/6(木)

次女長女のお掃除隊が年末掃除。
助かる。
次女の長女の進学問題悩ましい。

夕方、東急本店立寄り。
「駒形どぜう」渋谷店。
<貸本文化会>。暮れで、現役の諸君は忙しい。揃ったのは1時間後。
それでも、この会は面白い。

12/7(金)

「江戸東京の明治維新」(横山百合子)読み終える。
遊女や、被差別部落の人たちが明治維新をどのように迎えたが、江戸から東京へ、まことに面白かった。一葉も、漱石も、鴎外も、そして風太郎の明治物の世界がすぐその後に続いている。「坊ちゃんの時代」(関川夏央 谷口ジロー)5巻を読み終えたところだったので、なおさら面白く感じたのだろう。

12/8(土)

人気番組メモリー「きょうの料理」、横浜情報文化センタ―。
かつては、こういう企画の後は終われば必ずどこかで一献談笑となったのだが、すぐに三々五々散会。寂しい。高齢化だ。

12/9(日)

何をしたのだろう。

12/10(月)

「ムンク展」上野東京都美術館。
通常は休館日の月曜なので空いているかと思ったけど、それなりに混雑。
<叫び>の前だけは、「止まらずにお進みください」と促される。暗い照明で思ったより暗い色調で地味な印象だった。あの空の色の強烈さをもっと感じたかった。展示方法に難ありか。通り過ぎて戻って二度観た。その程度の混雑だった。

画を観るのは好きだ。特に美的感覚が優れているとは思わないが、そこにある真正性とでもいう何か、一点の画が主張する画家の何かを感じることはできる。音楽がなくても困らないが画は観たい。ムンクという画家が、これほどこちらの感性に刺さってくるとは知らなかった。いい展覧会だった。
精養軒は混んでいたので、赤坂に出て、久しぶりにグラナータに寄ってみた。好みのアーリオオーリオと白ワインでゆっくりした。

12/11(火)

ヨガ 3回目。
ゆっくりした動作の負荷のかかり方にすこし慣れただろうか。

12/12(水)

事務局。
18時、喜多見「ながた」で掛川さんと会う。
江戸川のマンションに引き移るという。また、少し寂しくなる。

12/13(木)

八重洲口 武田氏個展。
元NHKプロデューサー。退職後、パリで画家として生きることを選択して16年。NHKの後半戦、ハイビジョンビジネス開発時代に懇意になった。ウマが合うとはこういう事か、と思った。良い人と出会い、それが持続するのは楽しい。入り口に、絵と自分との関係が語られていた。
八重洲地下街で昼食。蕎麦屋。ひどい味だった。八重洲のサラリーマンは可哀想だと思ったが、結構混んでいる。
夕方、テレビマンユニオンで今野氏と打つ合わせ。
それまで時間があるので、青山ブックセンター立寄り。
終わって「エルブエロ」。19時半までならどうぞという。忘年会シーズンなのだ。

12/14(金)

お掃除隊、今日も、
下駄箱、電気の傘、など。
明日の戸隠スキー場オープン延期という。

12/15(土)

理事会。
今年最後の理事会だから、最後短く個人総括を、ということになる。
それぞれに面白かったが、最後に「理事会はこういう自由な発言が大事だ。事務連絡は半分で良い。これを提案したい。」という意見が出て、賛同の拍手もあった。
それって、進行の総務委員長不信任か?「理事会の議案は事務連絡ではない。会として検討しなければならないことについて、理事の意見を求めているのだ」とコメント。一度も発言を止めたことなどない。

終わって、忘年会。
先導役の手違いで道に迷う。
20人近い高齢者が青山の路地をウロウロ。30分ロス。
二次会は南青山のバー。

12/16(日)

半日ボーっとしていたが、午後理事会議事録。
事務局長の千葉君に引き受けてもらってほっとしていたのだが、ご尊父逝去で、また作業が戻ってきた。気力が衰えている。

12/17(月)

事務局。
ネットワーク環境の改革改善打合せ。

12/18(火)

ヨガ。
夕方、戸隠「樅の木山荘」に電話。年内の状況を聞いてみる。
さて、どうしよう。

12/19(水)

事務局。
久しぶりに「砂場」。
友人高橋君に「一人砂場だ」とメール。
帰宅後返信あり。「体調芳しからず」という。
心配だ。

12/20(木)

長女夫とゴルフ練習場。
恒例の、次女の夫を交えての年末ラウンドが心配。
次女が娘の進学問題で悩んでいる。何もしてやれなくて可哀想。


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