HOME > Special > 「放送人グランプリ」2016.受賞者決定 。 「放送人グランプリ」は<放送人の放送人による放送人のための賞>です。

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「第2回大山勝美賞」も!

◆グランプリ◆ 受賞者:国谷裕子(「クローズアップ現代」NHK)

1993年4月5日は国谷裕子さんにとってもNHKにとっても記念すべき日だといってもいいでしょう。それから23年間、国谷裕子さんがキャスターを務めて続けた「クローズアップ現代」が始まった日なのです。一人のキャスターが月曜日から金曜日まで生放送でキャスターを続ける大変さは本人しか決してわからないでしょう。放送が始まった時、だれがそれから23年間も国谷さんがキャスターを続けると想像したでしょうか。アメリカのニュースキャスターにも例を見ない23年間。毎日のテーマもバラエティに富みキャスター自身が深く勉強し理解しなければ決して務まらないポジションです。
しかし、ただ大変だというばかりでは決して国谷さんの気持ちには近づけないのではないでしょうか。まさに「現代」と切り結ぶゾクゾクするような緊張感と喜び、そうした表情を何回も画面からうかがうことができました。これからもしなやかさの中にも剛直なパワーを持つジャーナリストとしての益々の活躍を心から期待しております。

◆準グランプリ◆ 受賞番組:NNNドキュメント’15
「シリーズ戦後70年南京事件兵士たちの遺言」

中国が南京事件関連文書をユネスコの世界記憶遺産に登録したことから議論が再燃。事件は捏造だとする主張が声高に叫ばれたりする昨今である。現在の政治状況のなかで扱いがデリケートになっている南京事件を、当時の現地部隊の兵士が書いた陣中日記によって検証した。兵士たちの自筆の文字、克明な内容、スケッチ、生存者の証言などを冷静に積み重ねて、事件の実像に迫り、この戦争における日本の加害者責任に向き合うことを、私たちに迫っている。事実のみで語るというドキュメンタリーのゆるぎない姿勢が素晴らしい。

◆優秀賞◆ 受賞者:手塚孝典(信越放送)

満州事変以後、日本は中国東北部に20数万ともいわれる移民を送り出した。なかでも長野県からは最多数の農民および少年義勇軍までが駆り出され、集団自決や残留孤児問題など無残な禍根を残した。その実態を様々な角度から一貫して追い続け、2015年『棄民哀史』まで7本の秀作ドキュメンタリーを制作し続けた業績に対して。

◆優秀賞◆ 受賞番組:NHKスペシャル「新・映像の世紀」

当シリーズは、映像誕生以後100年の世界ニュース映像を集め、現代史の出来事が”映像の記憶によって転換している事実”を実証して衝撃的です。更に、現今の世界の混乱状態が時代の大転換への予兆であることを洞察し、その方向性も予見していて感動的です。
正に、テレビの特性をいかんなく発揮し、テレビジャーナリズムの良心と自負を示すもので、放送人必見の番組として評価します。

◆特別賞◆ 受賞者:大沢悠里

大沢悠里さんは1986年から30年間もの長きにわたって、TBSラジオで月曜日から金曜日4時間半の生放送『大沢悠里のゆうゆうワイド』で語り続けてきました。同番組は首都圏で度々聴取率1位を記録し、「日本一聴かれているラジオ番組」として、不動の地位を築きました。ニュース・情報重視のラジオ番組の中で「人情愛情みな情報」という大沢さんの、地道で温かいラジオ精神が、この偉業を達成したことを高く評価します。

◆企画賞◆ 受賞番組:「100分de 名著」

広く名前は知っているものの手に取って読む機会が少ない世界的名著を1回25分ずづつ4回、計100分で紹介する「100分で名著」シリーズ。適格な紹介者を選び、タイミングを計れば古典は現代に蘇り、鋭いメッセージを発する。特に今年初めにテロの頻発する時代に向けた「100分de平和論」は、時代に響き多くの共鳴者を得た。その企画力を高く評価する。(放送:NHK Eテレ)

◆奨励賞◆ 受賞番組:「人生の楽園」

2000年10月にスタート。田舎暮らしや新たな挑戦など、第2の人生をいかに生きるか、さまざまな人々の選択を提示する番組です。テレビドラマはふつうの人々のふつうの暮らしぶりを描かなくなり、テレビは若者に媚びてばかり。そんななかにあり、唯一、大人の解放区として、視聴者の人生にひとときの楽園をもたらす貴重な番組に、敬意を表してーー。(放送 テレビ朝日)

第2回大山勝美賞

◆ 中島由貴氏 NHKエンタープライズ 制作本部 エグゼクティブ・ディレクター

 1992年、NHKに入った中島由貴さんは、連続テレビ小説「ウェルかめ」や大河ドラマ「平清盛」などさまざまなドラマ枠で経験を積み、局の女性演出家のトップランナーとして活躍する。自ら企画し、執念で実現にこぎ着けた前田司郎脚本の「お買い物」「迷子」「徒歩7分」は高く評価され、「55歳からのハローライフ」などの土曜ドラマも手がけた。女性という属性を超え、NHKのドラマの今後を担う演出家としてさらなる活躍が期待される。

◆ 岡野真紀子氏  WOWOW プロデューサー

岡野真紀子氏は、笑顔の奥に強靭な勇気を秘めたプロデューサーです。2010年の「なぜ君は絶望と闘えたのか」はじめ「學」「尾根のかなたに」と困難な企画に果敢に挑み、見事な作品に仕上げました。さらに、「チキンレース」「私という運命について」など、人生の機微を深く表現した秀作を作り上げました。その精力的な活躍を讃えると共に、一層の突破力を期待して、この賞を贈ります。


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